無断で文章を削られて叩かれた話~著作権について調べてみた~

ライティングライター,著作権,トラブル,著作者人格権

こんにちは、在宅ワーカーのたけのこです。
本日は、ライティング案件の際に実際に起きたトラブルについてご紹介します。
なんとなく、「人の作ったモノを扱う際には気を付けないと…!」
という程度には覚えていってもらえると嬉しいです。

※ちなみに、弊社に入社する前に
クラウドソーシングサイトでライティングをしていた時の話です。

たけのこに舞い降りた依頼とは?

依頼があった案件は、某アニメに関するコラムのようなもの。
とりあえずこのアニメについて、この人物を紹介しつつ、自分の意見や感想も交えつつ、
コラムのようなものを書いてください
、という依頼でした。

そのコラムが掲載する箇所は、学生がよく利用していたサイト。
私も学生時代にはよく利用していたサイトでした。

いろいろなライターさんのペンネームと記事が並んでいて、
そこに自由にコメントや感想、意見交換ができます。
(この時点で察しの良い方は「あちゃー」となるかも……)

書いてください、という依頼があったアニメは私もよく知っていて、
「ああ、これなら書きやすい!」と喜び勇んで文章を書きました。

公開後…喜びの後のショック!

コラムを書いて納品後、記事の公開日に、私はサイトを確認しに行きました。
すると、「あれ…!たくさんコメントついている…!?」
普段と比べ物にならない数のコメントがついていたのです。

びっくりして、さらに「記事がウケたのかな?」なんてほのかな喜びを抱きつつ
覗いてみて、さらにびっくり。そしてショックを受けました。

「なんでこのキャラだけなの?全員紹介してよ」
「作者の好みかな?不公平だよね」
「えー他のキャラのも見たかったのに。ひどい」

などなど、並ぶ並ぶネガティブコメント。
これには本当に驚きました。
なぜなら、私はこのアニメの主要人物を全員紹介できるように記事を書いていたからです。

慌てて本文を見に行くと、
えっ…!?半分くらいがっつり記事削られてる!?

納品後には修正依頼もなかったため、動揺しました。

納品時に記載していた文章はザックリ削られてしまい、
文脈も切って貼っただけのもので話の展開も唐突。なんとも読みにくい
のです。

編集者の目的とライターの希望

編集側の思惑としては、
「宣伝したい舞台」に出演しているキャラだけを紹介してもらえればOKだったのでしょう。
(元々はアニメですが、その当時は舞台化が決まっていました)

正直、当時はいろいろ思うところはありました。
「文章長いなら修正するように言ってくれればすぐに直すのに…」
「そもそも依頼するときに目的を教えてくれれば、その通りにしたのに…」
「私はペンネームを出していて、矢面に立って叩かれるのは私なのだから、
 事前に修正することを教えてほしかった…」

などなど。orz

でも、今思うと私の確認が至らなかった部分があります。

「文章の著作権は譲渡される契約になっていたのか」

という部分を、当時の私は自分で理解しきれていませんでした。
もし納品した時点で著作権が譲渡されていたならば、私を通す必要はなかったのかも……?
でも、それだと確実にトラブルにつながる気がする…!ということで、調べてみました。

著作者の意に反する切除・改変を禁ずる「同一性保持権

同一性保持権…自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利

公益社団法人著作権情報センター https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html

というものがあるようです。
「著作者人格権」に分類されていて、いわゆる「著作権(財産権)」とはまた別もののようです。

著作者人格権は、著作者だけが持っている権利で、譲渡したり、相続したりすることはできません(一身専属性)。この権利は著作者の死亡によって原則的には消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られることになっています。
一方、財産的な意味の著作権は、その一部又は全部を譲渡したり相続したりできます。
ですから、そうした場合の権利者(著作権者)は著作者ではなく、著作権を譲り受けたり、相続したりした人ということになります

公益社団法人著作権情報センター https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html

つまり、「著作物を自由に使う権利は譲渡できるけれど、
著作物の中身を著作者に無断で変えることはできませんよ」ということ。
あれっ、じゃあやっぱりあれはまずいことだったのかしら…??
かと思えば、このような記述も。

著作者には同一性保持権があり、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは許されません。
ただし、著作権法では、教科書に掲載するために用字・用語を変えることや建築物を改築・改修すること、プログラムを利用上の必要に応じて変更することなど著作物の性質、利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないと認められる場合の修正は許されるとしています。

公益社団法人著作権情報センター https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html

「利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないと認められる場合」ってどこまで…!?!?

正直、もう当時の細かな状況を覚えていませんので、今となってはわかりませんね。
ある意味貴重な経験だったな、と思うことにしています。

著作者に許可をとる、または契約書を用意するのが確実。
他人が書いた文章を使用する際は、お気を付けください

実は、文章にも著作権は存在しています。
小説などではイメージがわくかもしれませんが、実はあらゆる文章に著作権というものがあるんですね。
しかも、「著作者人格権」という原則譲渡できない権利もあるという。

難しいですが、確実なのは著作物を作った本人に許可を取ること。
または修正を依頼して、著作者自身で責任をもって修正してもらうこと。

どうしても著作者を通さずに改変を行う必要がある場合には、
あらかじめ契約書を用意し、その旨に同意してもらうことが大切ですね!

ライターだけでなく、依頼した企業側もトラブルに巻き込まれてしまうかも……。
他人の著作物を扱う場合には、なにとぞご注意くださいませ。

弊社でも、各種文章の作成依頼承っております。
ご依頼の際には、以下リンクよりお問い合わせください!

お問い合わせはこちら

Posted by たけのこ